傍流社員の「社内起業家」は“清々しく”退職を決意する~新規事業の成功パターンの典型「幸田正司物語②」
昨年、幸田は「第1回社内新規事業の公募制度」にビジネスプランを提出したものの、最終審査で落選となっている。大いに落胆をしたものの、ビジネスプランの実行可能性も、精度もさほど高くないという自覚があったので、諦めもついた。なお、第1回で優勝したのは新規事業というよりは、既存事業の付加価値を上げる改善プランであった。そして、今年の「第2回社内新規事業の公募制度」に向け、1年間、今一度ビジネスアイディアを大量に出し、社外の起業家コミュニティと頻繁に交流し、そこで偶然意気投合した先輩起業家である小田島憲行からメンタリングを定期的に受け、ビジネスプランを精緻化していった。幸田はメンタリングを通じ、社外の起業家コミュニティとの接触を通じ、自分の使命を深く考えるようになり、今回の公募制度には並々ならぬ思いで臨んだのである。