インタビュー 経営参謀としてのCFO

石橋善一郎氏が語る、「経営参謀としてのCFO」──FP&Aが果たすべき経営判断における役割とは?

ゲスト:日本CFO協会 主任研究委員 兼 FP&Aプロジェクトリーダー 石橋 善一郎氏【前編】

 もともとCFO組織は米国企業で発展し日本に導入されてきた経緯があるが、同様に米国企業ではCFO組織の一部として一般的である「FP&A (Financial Planning & Analysis)」については日本ではそれほど知られていない。経営参謀としてCFOは時に大きな事業判断に迫られる時がある。現場と連携してコミュニケーションを密に取り、足並みをそろえて意思決定するために、どういう組織が理想的なのか。インテルの日本法人と米国本社でFP&A (事業部コントローラー)とCFO職(日本法人)に就き、インテルの歴史に残る経営判断の場に携わった経験を持つ石橋善一郎氏。FP&Aとは何か、高度な経営判断の寄与するCFO組織とその中核になるFP&Aはどう支援すべきか、お話を伺った。

[公開日]

[語り手] 石橋 善一郎 [聞] 大塚 寿昭 [取材・構成] 中原 絵里子 [写] 和久田 知博 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] 企業戦略 CFO 財務戦略 FP&A マネジメントコントールシステム

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経営管理から始まったキャリア、CFOを目指した理由

大塚寿昭氏(バリューアップパートナー株式会社代表取締役、以下敬称略):石橋さんは日本と米国のインテルで事業部コントローラーとCFOを勤められたという華々しい経歴をお持ちですが、キャリアのスタートはどういった部門からだったのでしょうか。

石橋善一郎氏(日本CFO協会 主任研究委員兼FP&Aプロジェクトリーダー、以下敬称略):私のキャリアは新卒で富士通の海外事業本部で経営管理を担当するところからスタートしました。1980年代始めは、まだ日本にCFOというポジションはありませんでした。当時はCFOを目指すという意識はなく、海外市場で果敢に勝負を仕掛ける日本メーカーを経営管理の側面からサポートすることにやりがいを感じていました。しかし、このままここにいれば、この先のキャリアとして見えているのは海外子会社での駐在の繰り返し。経理部、財務部におけるキャリアパスからは外れていました。そこでMBAを取ることを目指して、富士通を退社して自費でスタンフォード大学大学院のMBA課程に留学しました。

 MBA取得後は、当時のMBAホルダーにならい、経営管理の経験を活かす先として私も経営コンサルタントとして就職することになりました。しかし、すぐに経営コンサルタントは自分のやりたい仕事ではないことに気付きました。

大塚:そこでキャリアを見直されるわけですね。その際に重視したポイントは何だったのですか。

石橋:キャリアを考える際に大事にしたい観点は3つありました。「その仕事が好きか」「その仕事に適性はあるか」「その仕事からの経験と自己学習を積み重ねることによって、長期間にわたってプロフェッションとしての成長を継続できるか」です。特に3つ目が重要だと思っています。自分が学び続けることでどこに向かって成長したいのか。そう考えた時に、CFOというキャリアがあるということを知り、挑戦してみようと決めて外資系企業への転職を決意し、入社したのがインテル日本法人です。

石橋善一郎日本CFO協会 主任研究委員兼FP&Aプロジェクトリーダー 石橋 善一郎氏

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