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オートバックスセブンが「6つのビジネスネットワーク」で目指す新たな“エコシステム”とは

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 「CASE」の潮流は自動車産業を大きく変化させています。あらゆる企業がこの流れへの対応に迫られている中、カー用品販売店のチェーンを運営するオートバックスセブンは、顧客情報を中心に据えた「6つのビジネスネットワーク」の構築を進めています。今回は、同社 IT戦略・DX戦略担当 執行役員の則末修男氏に、「6つのビジネスネットワーク」の概要と、それによって目指す未来について伺いました。

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オートバックスセブンが進める「6つのビジネスネットワーク」とは

──まずは、則末さんが進めていらっしゃる6つのビジネスネットワークの概要を教えていただけますでしょうか。

則末修男氏(以下、敬称略):6つのビジネスネットワークとは、

  1. カー用品販売ネットワーク
  2. 海外におけるアライアンスネットワーク
  3. マルチディーラーネットワーク
  4. 最適なサービスを提供するピットのみのネットワーク
  5. 次世代技術に対応する整備ネットワーク
  6. お客様とのリレーションを高めるオンラインネットワーク

というもので、様々なパートナーと連携して車を利用するシーンに合ったサービスをお客様に提供することを目指して構築を進めているものです。

 Connected、Autonomous、Shared、Electricの頭文字をとった「CASE」の流れは、カー用品業界にも大きな影響をもたらしつつあります。電気自動車や高度な機能を備えた自動車が増えてきた一方で、クラシックカーも数多く走っており、私たちがメンテナンスしなければならない自動車の幅は広がり続けているのです。1社だけであらゆる車種のあらゆるメンテナンスに対応するのは難しくなってきているため、パートナーとネットワークを構築することで、ビジネスを広げつつあらゆるニーズに対応できるようにしようと考えました。

──パートナーとのネットワークとは、たとえばどのようなものがありますでしょうか。

則末:「アダプティブ・クルーズ・コントロール(前走車との車間距離を自動で保つための装置)」を例に説明します。車検の際、この装置が正しく作動しているかを確かめるためには、それ専用の機器を使って試験しなければなりません。ただこれは高価な機器で、各地にある地場の整備工場すべてが導入するのは非現実的です。そこで、私たちが機器を導入し、他の整備事業者さんにも使っていただこうという仕組みを作りました。もちろん利用料をお支払いいただきますが、すべての車検を私たちに集約するのではなく、事業者さんや地域の経済が豊かになり、自動車の利用者にとって便利で安心できる地域にしていければと考えています。

──車検の中でも検査ごとに棲み分けをすることで地域の事業者とも共存しようとしているのですね。

則末:そうですね。先ほどの例は、各事業者さんが預かった車の検査のうち一部だけオートバックスの機器を用いるものでしたが、逆のパターンもあります。古い車種で限られたベテラン整備士さんでしか対応できない検査も、オートバックスにご依頼いただければ、地域の事業者さんとのネットワークで最適な整備士さんにお願いすることができます。

──我々も整備事業者さんもWin-Winになるような整備ネットワークを構築しているということですね。6つのネットワークでは、何が最も重要なのでしょうか。

則末:ここまで一例としてご紹介してきたメンテナンスに加え、自動車販売やカー用品販売など、あらゆる接点で得たお客様の情報を一元管理することが最も重要です。どのような車に乗っているのか、どのような乗り方をしているのか、どのような趣味嗜好なのかなど、ネットワークを介してお客様の属性情報をキャッチアップし、ネットワークを介してサービスを連携させていくことが、今後のポイントになってきます。

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この記事の著者

梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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