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新規事業の打率を上げる事業構想を書いたその後に──MVPによる事業仮説の弱点把握、不足人材の補強

講演者:株式会社Sun Asterisk Business Designer Unit Manager 西谷翔太氏

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確信と確証を得るためのフレームワーク「Value Design Syntax」

 次に西谷氏は、確信と確証を得るために開発されたフレームワーク「Value Design Syntax(VDS)」を紹介した。これはビジネスモデルキャンバスの進化版とも言えるもので、あるアイデアが売れるか、競合に勝てるか、実際に提供可能か、儲かるかを検証するためのツールだ。

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 VDSの特徴として、右脳的な確信や左脳的な確証が欠けている部分を可視化できる点、そしてビジネスモデルを文章として整理できる点が挙げられる。従来のビジネスモデルキャンバスでは、慣れていない人にとっては単なる穴埋め作業になりがちで、仮説の検証やその後のアップデートが不十分になってしまう可能性があった。

 しかし、VDSは整合性を保ちながら動的にサービス仮説を整理するツールとして設計されている。また、完成したVDSは左上から順に文章として読み上げることで、サービス全体の概要を簡潔に把握できるようになっている。

 VDSは左端から順に書き進めることで、列ごとに「課題が逼迫し価値が羨望されているという確信(課題発見・価値創出)」「サイズがある(伸びる)という確証(成長可能性)」「勝てるという確証(競合優位性)」、そして「魅力的な収支となりうるという確証(収益性)」を検証することができる。

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UberEatsのビジネスモデルを左脳と右脳で解説する

 次に西谷氏は、UberEatsを例にとり、VDSの活用法を解説する。

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 まず、1列目では、課題と価値を整理する。この例では、昼休みの40分で食事を済ませる必要がある井上さんという人物を想定し、簡単にオーダーでき、すぐに届く便利で美味しい体験を提供するというサービスコンセプトを設定。

 そして、この1人の例を東京都23区内の忙しい在宅勤務者というセグメントまで広げて考えると、昼食に時間を割けないという課題を解決するサービスだと整理ができる。これが2列目だ。

 3列目では競合を検討する。この場合はテイクアウトや他のデリバリーサービスが挙げられるが、UberEatsは豊富なメニュー、使いやすいアプリ、安価な配達で競争優位性を確立している。その優位を維持するには、加盟店数の拡大と配達員の確保が重要となる。

 その実現には、高精度のマッチングや動的な価格設定の技術などの内部リソース、そして安定した配達員などの外部リソースが必要となる。そして、顧客獲得にはリファラルやバイラルの促進施策が重要である。

 右から2つ目の列では持続可能性を検証する。この例においては、利用者と加盟店が増加することで利用データが蓄積され、商品バリエーションやエリア拡大の選定力が向上する。その結果、配達料金の安さや競争優位がさらに増すことになる。

 最後に、収益モデルを検討する。UberEatsでは注文配達に対して手数料を徴収するという形態がこれにあたる。主要なコストには業務委託費、広告費、開発費が含まれ、単月の黒字化は3年目、投資回収は5年目を目標としている。

 西谷氏は、VDSはサービスをデザインする道具というよりも、現状のサービスデザインの精度が高いかどうかを確認するためのツールである、と強調した。まずは考えていることや他のツールで得られた分析内容を書き出し、整理することで、何が欠けているか、どの仮説が弱いかを可視化し、その部分に必要なBTC人材をアサインしていくことが基本の使い方であると述べた。

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株式会社Sun Asterisk Business Designer Unit Manager 西谷翔太氏

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大企業での「机上の空論型」やスタートアップでの「木を見て森を見ず型」

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この記事の著者

雨宮 進(アメミヤ ススム)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社Sun Asterisk

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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