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アシックスの技術・ブランド・経営をつなぐ知財経営──活動主体を知財部から事業部門へ移行させた秘訣とは

LexisNexis PatentSight+ Summit 2026 レポート Vol.1:株式会社アシックス 堀込岳史氏

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知財戦略の主役を「知財部」から「事業部門」へ刷新する

 「C-PROJECT」で培われた知財と事業の緊密な連携を、一過性のものに終わらせず組織全体の「仕組み」へと昇華させるために立ち上げられたのが、経営層を中心とする「知財戦略委員会」である。

 堀込氏は、知財戦略が真に機能するためには、ビジネスの現場である事業部自身がその戦略を立案し、実践するのが理想的だと考えていた。しかし、2020年の委員会の設置当初は、知財部が主導し、機が熟したと判断した段階で運営を大幅に事業部主導へと刷新した。

 具体的には2023年以降に、知財戦略のプレゼンやKPIの設定を、各カテゴリー(「パフォーマンス・ランニング」「スポーツスタイル」など)の事業部門長自らが行う体制へと変革したのである。

 「知財戦略というのは事業部門のものであるという考え方に変えました。知財部はあくまで専門家としてサポートに回り、各事業部が自分ごととして議論する。この立て付けの変更が大きな転機となりました」と堀込氏は強調する。

 この変革により、現場の意識は劇的に変わった。新しいプロダクトの企画や他社とのコラボレーションが立ち上がる際、事業部のメンバーから自発的に「知財戦略の観点ではどのようなクリアランスが必要か」「どう権利化すべきか」という議論が巻き起こるようになったのである。

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株式会社アシックス 常務執行役員CAO 堀込岳史氏

カテゴリーを軸とした知財経営に寄り添う、グローバルネットワークの構築

 事業部の「自分ごと化」を支えるため、知財部門の組織体制も変革された。アシックスでは、機能組織ごとに分かれていた体制から、製品の企画・生産・販売まで一気通貫で責任を持つ「カテゴリー経営」へと移行している。

 知財部門はこのビジネス構造に完全にシンクロするため、「特許・意匠チーム」と「商標・ブランド保護チーム」の担当者をセットにして各事業カテゴリーに配置する体制を敷いた。

 さらに、米州(ASICS America)や欧州(ASICS Europe)などのグローバル拠点とも緊密に連携。必ずしも日本の本社がすべての案件のリーダーシップを握るのではなく、地域の実態や法制度の特性に合わせて最適な拠点の担当者がプロジェクトを牽引する、柔軟で有機的なグローバル知財ネットワークが機能している。

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外部指標「Patent Asset Index」を活用した投資家との共通言語

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この記事の著者

栗原 茂(Biz/Zine編集部)(クリハラ シゲル)

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