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AIと数学の限界。アインシュタインとMicrosoft AI スレイマンの視座が示す「SQ」の本質

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AQの時代、人類は「絶対知」に到達し無限ゲームを創る

 AIが「IQ→EQ→AQ」と弁証法的に発展し、実社会の行動を完結させていく今、人類は「身体の無意識のOS」とつながるSQ領域、すなわちヘーゲル的な「絶対知」の位相へと至る。

 ヘーゲルの哲学における「絶対知」とは、主観(人間)と客観(世界)の対立をなくして、世界の真理を完全にありのままに把握する究極の認識の境地であり、主著『精神現象学』の到達点だ。

直接的に自体的なものが精神にとって存在すること、しかも自己意識という形態を与えられた精神にとって、直接的に自体的なものが存在することの意味するところは、ほかでもない、現実的な世界精神がこの自己知( Wissen von sich)へと到達していることである。そのときはじめて当の知はまた、その世界精神の有する意識のうちへと入りこみ、真なるものとして登場する。くだんの件〔世界精神の自己知への到達〕がいかにして生起したのかをめぐっては、すでに右のくだりからあきらかだろう。

出典:G・W・F・ヘーゲル『精神現象学 下』(筑摩書房)

 これまでの人類の知性は、相反する二項対立のどちらか一方に無理やり決定しようとする「波動関数の未熟な収束」を繰り返してきた。しかし、精神が絶対知に到達したとき、知性は二者択一の暴力を手放す。絶対知とは、固定された「知識の粒」に収束した状態ではなく、いかなる粒にでも変化し得る「無限の可能性の波(波動関数)」そのものを抱きかかえた位相である。

  • 潜在性(波):決定されないまま、すべての相反する可能性が重ね合わされている。
  • 顕在性(粒):必要に応じて、どのように(テーゼにもジンテーゼにも)でも現実化できる。

 この「Superposition」の位相において、高いSQを持つ人の要件について、ダナー・ゾーハーは次のように最も重要な指摘を残している。第1回でも紹介したが、再掲する。

One of the main criteria for high spiritual intelligence is being what psychologists call ‘field-independent’. That means being able to stand against the crowd, to hold an unpopular opinion if that is what I deeply believe.

著者意訳:いわゆる精神分析医が「フィールド・インディペンデント」と呼称する能力、それが、高いスピリチュアル知性を持つ人に要求される主な要件の一つである。それは、大衆(the crowd)に逆らっても平気な能力だ。もし自分が本当に信じるなら、仮にあまり人気のない支持されない見解だったとしても、その意見や行動を把持できる能力。

(出典:ダナー・ゾーハー『Spiritual Intelligence: The Ultimate Intelligence』)

 AIは過去データを処理しているだけであり、過去のパターン分析や過去問の解答は得意だが、ゼロからイノベーティブな価値(無限ゲーム)を創り出すことはない

 ムスタファ・スレイマンはまさにこのSQの視座、すなわち「Superposition」の位相から宇宙を俯瞰している。だからこそ彼は、AIによるディストピアを強く警告しながらも、同時にその極北を目指して開発を推進することができるのだ。その矛盾を知悉する姿勢は、アインシュタインの知性と美しく響き合っている。

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ヴァイオレット・エヴァーインディゴ(ヴァイオレット・エヴァーインディゴ)

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