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教科書にない“実践知”がCVCを救う。Counterpart Ventures西条氏に聞く成功の条件

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最新トレンドは「AIへのシフト」と「イノベーションの加速」

梶川:Counter Clubでは毎年「CVCレポート」を発行されています。数年前と比較して、どのようなトレンドの変化が見られますか。

西条:非常に明確なシフトが起きています。領域としては「AI」を最重要と捉える割合が急増しており、全投資ディールの中でAI要素が含まれる案件の割合は、ここ数年で9%から28%へと大きく跳ね上がりました。一方で、かつて最もホットだったクライメートテックは50%から9%へと大きく減少し、関心がAIへと急速にシフトしています。

梶川:CVCを運営する「目的」そのものにも変化は生じているのでしょうか。

西条:はい。以前は「世の中のトレンドを把握するアンテナ機能」や「既存事業の強化」という回答が主流でしたが、現在は「成長とイノベーションの加速」という回答が大きく増えています。イノベーションの創出には長い年月がかかるため、アーリーステージのスタートアップへの投資割合が増加し、財務的リターンも確保しながら長期的にイノベーションを狙う「ハイブリッド型」の思考へ変化しているのが世界的な潮流です。

日米CVCの決定的な差。「日本市場展開」という武器の限界

梶川:米国のCVCがイノベーション創出に向けて長期視点へシフトする中、日本企業のCVCはどのような状況にあるとご覧になっていますか。

西条:対照的ですが、日本のCVCはまだ短期視点に留まっており、既存事業のエンハンス(拡張)を目的とするケースが多いのが実情です。さらに深刻なのは、先ほどお話しした「投資競争における武器」の提示において、構造的な難題を抱えている点です。

梶川:日本企業のCVCが、スタートアップに対して強みを見せるのが難しいということでしょうか。

西条:ええ。日本企業がよく使う武器は「日本市場への展開をサポートします」というアピールです。しかしこれには大きな落とし穴があります。第一に「日本市場に興味があるスタートアップ」に限られること。第二に「既存事業の領域でしか力を発揮できない」こと。そして第三に「USのスタートアップが国際展開するのは早くてもシリーズB以降」である点です。もし日本のCVCが本当の新規事業創出を目指してシード期のスタートアップに投資しようとすれば、この「日本展開」という既存の武器はまったく通用しません。新規領域で勝負するための現地の体制や組織を作れていないことが、大きなハードルになっています。

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第4次CVCブームの到来。AIへの危機感と技術偏重からの脱却

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梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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