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意思決定プロセスを変革するOKRとは?

なぜ飛躍する企業はOKRを導入しているのか――Google、メルカリを支える、企業と個人の目標設定

第1回

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Googleの働き方と成長の基盤となっている目標管理手法「OKR」とは

 IT業界やスタートアップとの接触をよく持たれる方、または人事部門において評価制度の設計に携わる方であれば、「OKR」という言葉を耳にされたことがあるのではないでしょうか。2014年に和訳が出版された『How Google Works―私たちの働き方とマネジメント』や『WORK RULES!』はGoogle関係者が執筆した書籍です。これらの中でOKRが紹介されたことで、日本でも徐々にその名が広まりつつあります。また、2018年に上場したメルカリがOKRを採用していると紹介されたことでも、その認知度が高まってきました。

 OKRは、Objectives & Key Resultsの略称で、目標と主要な結果と訳される目標管理手法の1つです。『WORK RULES!』では、OKRは以下のように説明されています。

結果(=Key Results)は具体的、計測可能、検証可能でなければならず、すべての結果を達成すれば目標(=Objective)を成し遂げたことになる

 そして、GoogleではObjectiveを「あらゆるケースで、達成できないとわかっている野心的な目標をわざと設定する」と表しています。

 つまりGoogleが言うOKRとは、野心的で“ムーンショット”のような壮大な挑戦を設定し、「失敗したとしても、きっと何かすばらしいことをやり遂げた(『WORK RULES!』より)」ようにすることです。それによって、通常考えられる以上の工夫を促し、高い成果を創出することを目的にしています。

 一見すると、従来型の目標設定を「達成できないとわかっている野心的な目標」にするだけだと捉える方も多いかもしれません。しかし、このような誤解をしたままOKRを導入してしまうと、運用に失敗する可能性が高まります。

 それでは、OKRと従来型の目標とではどのような点が異なるのでしょうか。違いをわかりやすく理解するために、以下の目標設定の例を見てみましょう。

  1. 半期に一回目標を設定し、半年後の評価面談で振り返りを行う
  2. 半期に一回目標を設定し、その目標は野心的で失敗することがわかっているような高い数値目標とする。そして3ヶ月に一度、進捗のペースを確認し、必要であればアクションプランや目標の調整を行う
  3. 産業構造をまるっきり変えてしまうような1年間の野心的な目標を設定する。その上で年間の優先順位を決めて四半期の目標設定をし、月に一度、その進捗のペースを確認する。必要であればアクションプランの調整を行う

 それぞれの例で変化をつけているのは、目標の難易度と、振り返りのペースです。次ページでは、それぞれについて紹介していきます。

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この記事の著者

堀江 真弘(ホリエ マサヒロ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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