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意思決定プロセスを変革するOKRとは?

数字と紐づくビジネス部門のOKR運用──成果と成長を評価する2つのオブジェクティブとは?

第5回 特別対談 ゲスト:葉村真樹さん【後編】

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 これまでの連載では、OKRについて教科書的に整理してきました。そこで紹介した基本を踏まえ、堀江真弘さんがOKRを実践してきた方たちに話を聞いていきます。今回はGoogle日本法人、Twitter日本法人、LINEなど国内外の企業でビジネス部門のマネジメント経験があり、現在は東京都市大学総合研究所・大学院総合理工学研究科教授とPanasonicのビジネスイノベーション本部事業戦略担当を務める葉村真樹さんに、日本企業がOKRを取り入れる際に持つべき観点を伺いました。
 前編では、ビジネスサイドでのOKR、特にオブジェクティブの重要性について説明していただきました。後編では、OKRの運用について、評価・報酬まで踏み込んで伺っていきます。
 なお、本インタビューは葉村さんがLINEに在籍していた3月11日に行っています。

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「7割達成」をメンバーに落とし込む“コミットメント”と“ビッグベット”2つのKR設定

堀江真弘さん(以下、敬称略):単年度の事業計画でムーンショットなオブジェクティブと紐づいたKGIを設定した場合、今までどおりのやり方では10割の達成は難しいですよね。今までアプローチしてこなかったやり方を採る必要が出てきます。その具体的なアプローチ方法は、分解された下位レイヤーのOKRとして表現することができると思うのですが、いかがでしょうか。

葉村真樹さん(以下、敬称略):もちろんそれは可能です。これまでのやり方とはちがう、変化球のようなアイデアを出すためのKRも設定します。高く設定した目標に対して、ストレッチした、“ビッグベット”のようなKRです。特にカンパニーOKRの最後に“ビッグベット”を入れます。たとえば、OKRのウォーターフォールチャートを作るとします。目標がウォーターフォールをしていき、下のレイヤーのKRまで決まっていきますよね。そこで全体の目標を達成するためのストレッチしたKRを決める必要が出てきます。

堀江:そこでたとえば「新しい顧客獲得チャネルを作る」といったOKRが出てくるわけですね。

葉村:そうです。ビッグベットのない中期計画は、成長のための戦略がないので、計画とはいえません。

堀江:ストレッチした目標達成のために大きく張る目標を設定することは分かりましたが、不確実なため途中での変更もあると思います。それはどのように織り込めばいいのでしょうか。

葉村:プランA、B、Cというように、いくつかメニューを用意しておきます。セーフティネットを作っておき、ダメだった場合も考えておく。そしてもう一つ重要なのが、ビッグベットは別バケットにしておくということです。この考えは予算だけでなく、一人一人が割く時間にも当てはまります。

堀江:通常のコミットメントとビッグベットの時間配分で迷うメンバーは出てくると思いますが、どのように定めていけばいいのでしょうか。

葉村:どのKRに何%割くのかをあらかじめ明記しておけば大丈夫です。OKRとは、自分は何のために存在するのか、そのために何をすればいいのかを定義することです。自分のオブジェクティブを構成するキーリザルトAに20%、Bに30%、Cに50%と設定していきます。回帰方程式でいうと、目的変数がまさにオブジェクティブで、従属変数の係数がキーリザルトのパーセントです。

堀江:ではこのキーリザルトAからは、20%の貢献度を見込んでいるということですね。

葉村:まさにその通りです。

堀江:葉村さんが考える「7割達成」の運用は、計画はそもそもストレッチしたものであるべきで、そのために大きく張る“ビッグベット”のKRを上位レイヤーに入れ込み、各KRのオブジェクトへの貢献度と望ましいリソースの配分をあらかじめ決めておくということですね。

次のページ
ビジネスサイドのOKR運用における“評価”と“コミュニケーション”

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この記事の著者

堀江 真弘(ホリエ マサヒロ)

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