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デザイン思考×ビッグデータ

「デザインプロセスの精緻化」がビッグデータ活用の鍵

第2回

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デザイン思考をベースしたデータ活用の全体プロセス

 デザイン思考や人間中心設計(HCD)などが、イノベーション創出のための方法論として注目されているが、そこで提唱されるデザインプロセスは、「ビッグデータ活用」に必要なプロセス全体そのものになる。では、そのプロセスとは、どのようなものだろうか。

 スタンフォードd.schoolのデザイン思考プロセス[1]は、下図の通りで、

スタンフォードd.schoolのデザイン思考プロセス図1:スタンフォードd.schoolのデザイン思考プロセス

  1. Empathize(共感)
  2. Define(問題定義)
  3. Ideate(創造)
  4. Prototype(プロトタイプ)
  5. Test(テスト)

である。

 しかし、この他にも様々なプロセスが「デザイン思考」と呼ばれるものだけでもあり、使われる用語も多種多様なため、整理して理解することは容易ではない。ただ、人間中心設計(HCD)も含めて、その本質は共通しているため(注1)、あえてわかりやすい言葉を用いて整理すると、

  1. 課題を設定する
  2. 顧客理解をする
  3. 顧客ニーズを特定する
  4. アイデア(解決策)を生み出す
  5. アイデア(解決策)を形にする
  6. 検証評価をする

と理解できる。

 そして、このデザインプロセスは、ビッグデータ活用にも重要であり、データ分析の現場における問題に対して、多くの示唆を与えてくれる。それはどういうことか。

 たとえば、ビッグデータに関わらず調査分析の現場全般にあるものとして、「データ分析をしているが、なかなか活用まで至っていない」という問題がある。この問題を打破する視点を持って、上記1から6のプロセスをあらためて確認すると、マーケティングにおいて「データ分析」と言っているほとんどは、「2.顧客を理解する」の範囲になり、全体の一部分しかないことがわかる。

 また、「なかなか活用まで至っていない」というのは、「前後のステップとの橋渡し」が不十分で「4.アイデア(解決策)を生み出す」や「5.アイデア(解決策)を形にする」まで進んでいない状況だと理解できる。

 このようにデザインプロセスを通して見ることで、「分析」だけで「活用」に至っていないという現状を見渡すことができる。つまり、プロセス全体を十分に把握できていないため、部分的対応に終始してしまうことで、プロセス間が断絶したり、ある特定のステップが欠落したりしてしまうということが「活用」に至らない原因である。

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データ分析の問題は組織が壁となる「プロセスの断絶」

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この記事の著者

安松 健(ヤスマツ ケン)

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