“性善説”のエンパワーメントを成立させる、「マインド」と「システム」の両面設計
谷本:
人は、信じてもらったときにやる気が出るんだと思うんです。だからエンパワーメントというのは、いかに信頼してやらせるか、そういうカルチャーをどう作るかというところにかかっていて、それが今のGEでは大きなテーマですね。上にいる人は、つい部下を自分のコピーに育てようとするところがあります。でも、部下は自分にない強みを持っていていいわけだし、むしろそれぞれの強みをどう活かして成長を支援できるか……。これまではどちらかというとコマンド・アンド・コントロール型だったやり方を信頼とエンパワーメントに変えようとしています。メルカリさんではどうなんでしょう?
小泉:
僕らは、譲れないところだけ明確にして、あとは任せています。バリューに紐づく、という点は譲りません。働き方改革といって、社員に迎合するような会社がありますが、それは違うと思うんです。例えば僕らは、在宅勤務は認めてないんですよ。それは「家にいると働かないでしょ?」みたいな性悪説で在宅勤務を認めないわけではなくて、「All for One」というバリューに紐付けて考えると、今はそういうフェーズじゃないから。僕らが勝つためには、今はみんなで空気を共にして、何かまずいことがあれば一瞬にして解決する、そういうことが大事だということです。全てはミッションとバリューに紐づいているので、社員も理解していると思います。