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三井不動産DX本部古田氏と語る、推進を加速させた「全社巡業」と「DX2周目の課題」とは

第1回ゲスト:三井不動産株式会社 執行役員 DX本部 副本部長 古田 貴氏

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CoEであるDX本部の前身は“攻めの情シス”

市谷 聡啓氏(株式会社レッドジャーニー 代表、以下敬称略):私は現在数多くの企業でDXの推進を支援しているのですが、取り組みが進まない現状をたくさん見てきました。そんな中、三井不動産はいち早くDXに取り組んでいた会社という印象です。どうやって進めてこられたのか、どんな課題があり、どう解決してきたのか。また、今なお感じている課題は何かなど伺いたいと思っています。

古田 貴氏(三井不動産株式会社 執行役員 DX本部 副本部長、以下敬称略):弊社は三井不動産グループ長期経営方針「VISION 2025」[1]を策定しているのですが、その三本柱のひとつに「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」という重点方針があり、DX本部では「DX VISION 2025」も策定しています。

VISION 2025図版出典[1]
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 この対談に臨むにあたり市谷さんの作った資料[2]に目を通してきました。市谷さんはCoE(Center of Excellence:組織を横断する取り組みを継続的に行う際に中核となる部署や研究拠点のこと)の重要性を説いています。弊社では、私のいるDX本部を含む5部門を「イノベーションハブ」と呼んでいますが、まさにCoEにあたると感じました。

 イノベーションハブの中で、DX本部が担っているのは技術人材のアサイン、技術活用の提案、プロダクト開発。他に、新規事業を加速させる役割を担う「ビジネスイノベーション推進部」、オープンイノベーションを進める「ベンチャー共創事業部」、アカデミアとの連携を強化する「産学連携推進部」などがあります。そういった横串的な組織が各事業部と一緒になってDXを進めています。

VISION 2025図版出典[1]
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市谷:情シスがそのままDX推進を担う部署になってそのまま発展しているという話は実は珍しいケースですね。DXのプロジェクトではむしろ、情シスが蚊帳の外に置かれてしまうことさえあります。どうやって中心の役割を果たし、今に至っているのかは非常に興味深いです。

古田:情シスが蚊帳の外に置かれないように、いち早く「攻めのIT宣言」を発して変身し始めたのです。そして足りない機能は他のイノベーションハブ部門と役割分担している形態と言えます。このやり方のメリットは、技術人材が分散しない、既存システムやセキュリティとの連携がスムーズ、既存システム側の技術進化への好影響といったことがあります。一番の理由は、私自身がDXの仕事をやりたいと思ったのですけどね。


[1]三井不動産「三井不動産グループ長期経営方針「VISION 2025」」(三井不動産HP 2018年5月)

[2] 市谷 聡啓「アジャイルブリゲード 〜対立する二項を組織の構造と仕組みによって繋ぐ〜」(Slideshare 2021年2月19日)

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