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競争優位性を構築する組織カルチャー変革

東レ経営研究所 髙林氏が進める「次期経営リーダー育成」──これからのグローバル企業に不可欠な組織変革

ゲスト:東レ経営研究所 髙林和明氏(前編)

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経営リーダー研修の手応え

宮森:東レグループの経営後継人材の育成を目的とした経営リーダー研修を始めて4年になるということですが、手応えはいかがですか?

髙林:やりながらだんだんと気づいたのですが、海外に行くことがなくても、CQのスキルはとても役に立つものです。イノベーションを起こすには様々な視点が必要なので、国内で仕事をするにしてもインクルージョンが欠かせないという点は同じですから。

宮森:研修を始めた頃は、そこまで必要性を感じていらっしゃらなかったんですよね。

髙林:そうですね。ただ、海外に行ったことがなく、今後も行く予定のない研修参加者とフォローアップ面談をしたときに、「あの話って、ただ聞いておけばいいんですよね?」と言われたことがありました。日本から出る予定のない人にはその程度にしか見えていないと思うとショックでしたね。

 だから先日の研修の冒頭では、「これは海外に行かないから必要ないという話ではまったくないですよ」とみんなに話しました。

宮森:なるほど。一方で、4年間やってこられて良い変化もあったのではないでしょうか。

髙林:様々な視点を持てる人が増えてきたとは思います。ですが、会社全体の変革のためには、部長層に教えているだけでは足りず、もっと下の人たちにもシニア世代の人たちにも、広げていかないといけません。特にシニア世代の人たちは、世代間でまったく視点が違うということに気づいていないので。

宮森:既に確立した見方を変えられないですよね。

髙林:そうですね。たとえば若者がすぐに辞めてしまうというのも「なんで辞めるんだ。原因を探れ」という話になりますが、今の若い人の実情を知れば「辞めて当たり前だ」とわかるはずです。

 シニアの方は退職金もあるし65歳になれば年金もある。しかし若い人たちはそれが保障されていないですよね。だとすれば、一社にしがみつくことの合理性がないわけです。そういった事実からしても、価値観がまったく変わってくるはずです。

宮森:そのような異なる価値観を理解するということが、まさにCQを学ぶポイントですよね。

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やつづかえり(ヤツヅカエリ)

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