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企業価値向上のためのFP&A

旭化成のFP&Aが導く事業ポートフォリオ変革──CFO傘下の経営企画と経理財務によるグループ事業管理

ゲスト:旭化成株式会社 木住野元通氏、土家啓路氏、佐藤要氏

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工場から始まる「経理・財務フィールド」の人材育成やローテーション

池側:旭化成では、FP&Aを担う人材をどのように育てているのでしょうか。

木住野:私たちは「経理・財務フィールド」という枠組みで、人事部と連携した独自の育成プログラムを運用しています。

 まず、大卒の新入社員は原則、工場地区で1年間の実務研修を行います。そこで固定資産や原価計算といった「数字の基礎」と、ものづくりの「現場の空気」を徹底的に叩き込みます。その後、4〜5年単位でローテーションを行い、30歳前後で専門性を深めるのか、マネジメントを目指すのかといったキャリアパスを本人と相談しながら決めていきます。

池側:事業会社間のローテーションもあるのですか。

木住野:はい。マテリアルだけでなく、国内の住宅やヘルスケアの事業会社ともローテーション計画を共有し、人材のマッチングを行っています。異なる事業特性を経験することは、FP&Aとしての視座を高める上で非常に有効だからです。

土家:私は10年間、事業管理を経験した後に経営企画へ来ましたが、現場で「数字を武器に事業部長と対等に渡り合う」楽しさを知ったことが、今の大きな財産になっています。数字という共通言語を持つことで、営業出身の役員とも対等に議論ができる。これはFP&Aという職種ならではの醍醐味です。

「数字を強みに世界を変える」FP&Aを経営幹部への登竜門に

池側:今後の展望をお聞かせください。

佐藤:今、マテリアル領域ではROICやキャッシュ・フローの可視化等、より情報を充実させたダッシュボードの構築を進めています。ITを駆使して定常業務を効率化し、人間はより高度な「提言」や「予測」に時間を使えるようにしたい。そして、すべての事業部で「数字に基づいた経営」を当たり前にすることが目標です。

木住野:旭化成のCFOは、伝統的に事業を熟知した人間が務めてきました。今後、この「事業管理(FP&A)」というポジションを、将来の経営幹部を輩出する「登竜門」にしていきたいと考えています。

 あらゆる部門のデータが集まり、経営の最前線で意思決定に関与するこの場所は、次世代のリーダーを育てる最高の訓練場です。単なる「管理」ではなく、事業を「ドライブ」する存在として、FP&A組織をさらに進化させていきます。

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この記事の著者

栗原 茂(Biz/Zine編集部)(クリハラ シゲル)

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