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「PoC死」を回避し大型提携へ。ugo×NTT西日本に学ぶ、大企業とスタートアップ協業のリアル

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圧倒的なスピードの壁を越えるマインドセット

小竹:素晴らしいオープンイノベーションですが、ここに至るまでには大企業とスタートアップの違いによる壁もあったはずです。3年間取り組んできた中で、お互いに感じたギャップを教えてください。

松井:スタートアップの生態として、少人数でカルチャーが統一されているため、即断即決でピボットも速いです。限られたキャッシュの中で「来年会社が生き残っているか」を日々考えながら切羽詰まって仕事をしています。一方で大企業の方々は、「来年も再来年も会社がある前提」で動かれています。ミーティングの日程調整ひとつとっても数週間後になることがあり、ビジネスを早く進めたい我々との間に、マインドやスピード感のギャップを感じることはありました。

小竹:原さん、そうしたギャップがある中で、チームをどうまとめ、スタートアップとの協業を進めていったのでしょうか。

株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ Investment & Business Development Director 小竹有馬氏
株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ Investment & Business Development Director 小竹有馬氏

:私はチームのメンバーに対して、「スタートアップをベンダーだと思うな」と口酸っぱく言ってきました。規模が違うからといって「これやって、あれやって」と指示をするのではなく、「自分たちを助けてくれているかけがえのないパートナーだ」という感覚を持つべきだということです。

 自社にない汎用的なプラットフォームを一朝一夕で作ることは不可能です。それをOEMで提供していただき、我々のアセットと組み合わせることで世の中に価値が出せる。このマインドセットを徹底し、さらに社内で理解のある役員が後ろ盾になってくれたおかげで、チームも楽しみながら推進してくれました。

数字とモノを見せて経営層を本気にさせる

小竹:理解のある役員がいたとのことですが、大企業の中で「ugoというスタートアップと組む」ことを、西日本全体の重要案件にまで昇華させるのは非常に難しかったと思います。どうやって上層部を説得したのでしょうか。

:徹底したのは「ちゃんと数字を見せること」です。これをやることが、我々のビジネスにどれだけのリターンを生むのかを定量的に提示しました。

 さらに、「モノをデモして見せること」も重要でした。社屋に「ugo」を置き、実際に動く様子を見てもらう。また、経営層は日経新聞を読んでいても、スタートアップの最新動向までは知らないことが多々あります。私が正月にCESへ視察に行った情報なども含め、判断材料となる付加情報をどんどんインプットし、市場の必然性を説き続けました。

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この記事の著者

梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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